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<エンゼル・ストリング>

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弾性率と初期弾性率

弾性率は、例えばバネの硬さを表す数値です。
バネを引っ張って、伸ばしたことを思い出してください。そんなの思い出せないなぁって思う人や、やったことない人は、やってみるとこのあとの話が分かりやすくなるでしょう。

バネは、引っ張って伸ばすとその分、大きな力が必要です。バネを伸ばしていくと、引っ張る手にかかる力が大きくなりますね。これは、バネが元に戻ろうとして、手を引っ張っているからです。この力を弾性力と言います。

実は、よく調べると、弾性力は、バネを伸ばした長さに比例します。これが、理科の時間に習ったフックの法則ってやつです。
硬いバネは、柔らかいバネと同じ長さを伸ばすのに、より強く引っ張らないといけません。つまり、それだけ弾性力が必要なのです。 硬いバネも柔らかいバネも、弾性力とバネの伸びが比例することに変わりはありません。
その違いは、比例定数の違いによるものです。その比例定数を、弾性率といいます。

弾性率は、同じ長さを伸ばすのに必要な力ということが出来ます。弾性率の大きなバネは、同じ長さを伸ばすのにより大きな力が必要なので、硬いということになります。
そして、バネを引っ張るのを止めれば、バネはもとに戻ります。 しかし、バネをある長さまで引っ張るとバネが元に戻らなくなってしまいます。これが「バネが伸びきってしまう」状態です。
こうなってしまうと、バネは元に戻ろうとする力、弾性力を失って、バネは元バネになっています!

よく注意して、バネを伸ばしていくと、バネが伸びきってしまう前に、少し「変な感じ」がします。
実はこのとき、弾性力とバネの伸びの比例関係、フックの法則が成り立たなくなっているのです。
フックの法則が成り立っている範囲での弾性率を特に初期弾性率と言います。

余談ですが、人はフックの法則をしらなくても、これまで引っ張ってきた経験を適用して、このまま引っ張っていくと、このくらいの力が必要だと無意識的に予想します。予想通り進んでいたものが、予想から外れていくと、「変な感じ」を味わうことになります。
なぜ、弦の話に、バネがでてくるのか、不思議に思っているかもしれませんね。
ただ、バネほど簡単に大きく伸びないので、なかなか分かりにくいだけで、実は、弦もバネと同じで、引っ張れば伸びるのです! 弦だけでなく、ほとんど全ての物質は、引っ張れば伸びるし、押せば凹みます。
では、弦の弾性率は、アーチェリーにどう影響するのでしょうか?


弦の弾性率のアーチェリーへの影響。とくに的中精度への好影響。

では、弦の初期弾性率は、アーチェリーにどのような関係があるのでしょう。
弾性率の弾性とは、ものが変形したとき、それがもとに戻ろうとする性質です。
その性質によって、発生する力が、弾力性です。
また、変形したものが、もとに戻るまでに、発生させるエネルギーが弾性エネルギーです。
つまり、変形したものは、弾性エネルギーを溜め込んでいます。

さて、ものが変形すればするほど、もとにもどろうとする力は増します。ものが同じ長さ変形したときに発生する力、つまり、変形と弾性力の比率が弾性率です。
だから、弾性率が強い物と、弾性率が弱い物を、同じ長さ変形させたとき、発生する弾性力は、弾性率が高い方が強いのです。
弓は、まさにこの弾性を使って、矢を飛ばしているのです。おおまかには、こういうことです。
人が弦を引くことで、主にリムがたわみます。このたわみが、ここで言う変形です。
リムは変形すると、弾性力を発生します。人が弦をリリースすると、リムの弾性力によってリムが元に戻り、弦がもどり、矢を飛ばします。

さて、人が弦を引く時に、リムは弦に引っ張られて、たわみ、弾性力が発生しますが、弦にはどのような力がかかっているでしょうか? 弦は人に引っ張られているので、人が弦を引っ張る力@を受けます。
さらに、リムがもとに戻ろうとして弦を引っ張るので、弦は、リムが弦を引っ張る力Aも受けます。
つまり、弦は@とAの力で逆向きに引っ張られているのです。
弦にも力が加わって、引っ張られているので、変形し、伸びます。 ただし、弦は、リムよりも非常に弾性率が高いので、同じ強さの力を受けても見た目ではっきり分かるまでには、変形しませんが、確かに伸ばされるのです。

輪ゴムを弦と同じ長さまでつなげたものをリムに引っ掛けて、それを弦にしたらどうなるでしょう?
まず輪ゴム弦が人に引っ張られて、伸びます。伸びるので、もとに戻ろうとします。このときに弾性力が働いて、人は弾性力以上の(といっても、とても弱い力で十分ですが)力で引かないと輪ゴム弦をさらに後ろまで引けません。そのままふにゃとアンカーまで弦を引いてきても手応え=弦の弾性力がありません。リムはたわみそうもありません。リリースしても輪ゴム弦は、ふにゃっともとの長さに戻るだけで、とても矢を時速200q位のスピードで飛ばすことも出来ないでしょう。このとき、実は、リムは、輪ゴム弦の弾性力によって引っ張られているのです。したがって輪ゴム弦の様な柔らかい弦では、リムに力を伝えられず、リムを変形させることはできないのです。

輪ゴムではない、ポリエチレン製の弦でも輪ゴム弦と同じように、リムを引っ張ってたわませるのは、弦の弾性力です。
弾性率の強い弦と、弾性率の弱い弦を比べてみましょう。
どちらの弦を使った場合でも、人が同じ引き尺を引いたときに、人が弦を引く力が同じだと仮定します。
同じ力で弾性率の弱い弦を使った時の方が、弾性率の強い弦を使った時よりも、弦の伸びる量が多くなり、リムのたわむ量が少なくなります。
逆に、弾性率の高い弦は、弾性率の弱い弦よりも弦の伸びる量が少なくなり、リムのたわむ量が多くなります。だからリムのたわみと弾性力、弾性エネルギーをより多く使えるのは、弾性率の強い弦ということになります。

人が弓をひいたとときに、弓に蓄える弾性エネルギーの総量が同じでも、その弾性エネルギーがリムに貯まるのか弦に貯まるのかで、矢が前方に飛ぶ運動になるエネルギーが変わってきます。
直感的に伸ばされた弦が元に戻ろうとする時より、リムが元に戻ろうとするエネルギーの方が矢の運動エネルギーを与えてくれそうです。
だから、弦の弾性率が高い弦を使うと、矢速が早くなります。すると、風などのせいで矢の的中精度が落ちるのを防ぎます。

弾性の弱い弦を引いている感覚としては、弦を引っ張っても、リムが動かないように感じ、弾性の強い弦を引いたときには、弦を引っ張ると同じようにリムが動くように感じます。弓全体のレスポンスが敏感になった様に感じるでしょう。
矢の的中にそれよりも重要なのは、リリースしてから、矢が弦から離れるまでの弦の動きです。
このとき、矢は、この弦の動き以外に殆んど影響は受けません。したがって、これから矢が飛ぶ軌道にじかに影響します。

弦は、リリース直前に、人の引く力と、リムの弾性率によって、元の長さに戻るまでに、波打つように、より大きく変形します。弾性率の高い弦は、この動きが小さくなります。
この引っ張られて伸びた弦が、もとに戻ろうとする動きは、リリース直後。空気以外なら、弦の動きからしか矢が影響を受けない時に起こるのです。
弾性率の高い弦は、同じ力で引っ張られてものびにくいですから、もとの長さに戻ろうとする動きも小さくなります。だから弦の弾性率が高いと、的中性は高くなります。

さらに、弦を引くときに、取りかけから弦に、真後ろ以外の変な力、たとえば捻じるような力が加わると、その力による弦の変形もリリース直後に、もとに戻っていきます。この力に対しても、もちろん同じように、弾性率の高い弦は変形しにくいので、リリース直後の弦の不規則な動きも小さくなります。
これの効果によっても、弾性率の高い弦は、的中性を高めます。

以上のように、弦の弾性率の強さは、矢速のアップによって、さらに弦の不良振動を抑えることによって、矢の的中精度を高めます。

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